公的年金の老齢給付は、原則65歳から受給することができます。老齢給付には加入していた年金制度によって、老齢基礎年金と老齢厚生年金があります。
老齢基礎年金
受取資格
老齢年金の支給額は約78万円(年額)ですが、加入期間が短い人や保険料の免除期間がある人などは、保険料を納付(または免除)した機関に応じて、年金の受給額が少なくなります。
- 受給資格期間が10年以上の人が原則65歳になったときから受け取ることができる
- 保険料納付期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上の人
老齢基礎年金額の年金額
- 満額780,900円/年
老齢基礎年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給
繰り上げ受給
65歳より早く年金を開始することをいいます。60歳から受給が可能です。繰り上げた月数×0.4%が年金額から減額されます。
繰り下げ受給
65歳より遅く開始することをいいます。最長で10年間遅くでき75歳からの受給ができます。繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されます。
付加年金
付加年金とは第1号被被験者のみの制度で、任意で月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付することで付加年金の納付月数×200円が老齢基礎年金に加算されます。国民年金基金との併用はできません。付加年金を1年間納めたとすると(4800円)老齢基礎年金は2400円増えます。これは1年間の金額なので2年で元が取れます。
老齢厚生年金
受給要件
老齢厚生年金は会社員や公務員が厚生年金を10年間の納付し受給資格期間を満たすことで、原則65歳から受給することができます。
特別支給の老齢厚生年金 | 60歳から64歳までに支給される老齢給付 |
老齢厚生年金 | 65歳以上(定額部分と報酬比例部分に分かれる) |
特別支給の老齢厚生年金
国民年金の受給資格期間を満たした上で、厚生年金の被保険者期間が1年以上ある人が受給することができます。
〈支給開始年齢の引き上げ〉
支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことによる当面の混乱をさけるため本来は65歳より支給される老齢厚生年金を当面の間65歳より前から支給することにしたもの。女性は男性より5年遅れで引き上げられます。
〈年金額〉
年金額は定額部分と報酬比例部分を合算した金額となります。
65歳以上の老齢厚生年金の年金額
それまでの定額部分が老齢基礎年金に報酬比例部分が老齢厚生年金に切り替わります。しかし当面の間定額部分の方が老齢厚生年金よの額より大きいのでその減少分が経過的加算として補われます。
老齢厚生年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給
減算、加算は老齢基礎年金と同じです。
- 繰り上げは老齢基礎年金と同時にする
- 繰り下げは老齢基礎年金の繰り下げと別々に行うことができる
加給年金
加給年金は、厚生年金の被保険者が65歳に達した時点で、被保険者が扶養する18歳未満の子どもや65歳未満の配偶者がいる場合に支給される年金のことです。第2号被保険者のみ受け取ることができます。
- 厚生年金の加入期間が20年以上が対象
- 配偶者が65歳未満(224,700円)
- 子供が18歳に到達した直後の3月31日まで(第1子と第2子224,700円。第3子以降74,900円)
- 65歳以降の老齢厚生年金の支給開始から支給される年金
振替加算
加算年金は配偶者が65歳に到達すると支給が停止されます。代わりに応じた金額が配偶者の老齢基礎年金に加算され、これを振替加算といいます。
在職老齢年金
60歳以降企業で働く場合の老齢基礎年金をいいます。給与+年金が47万円以上の時老齢厚生年金が減額されます。
離婚時の年金分割制度
離婚した場合、当事者の合意又は裁判で、年金を分割できる制度があります。分割できるのは婚姻期間中の厚生年金(報酬比例部分のみ)で国民年金(老齢基礎年金)は対象外です。
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