60歳ぐらいになると、老後の生活の事が気になります。老後の生活の金銭的な基盤となるのは年金です。65歳になると老齢年金が受給できるようになります。今日はその年金を繰り下げ受給という65歳を過ぎてから受給することにより受給金額がどう変わるかについて調べてみたいと思います。
ねんきん宅急便
ねんきん宅急便はごぞんじですか?年金制度への理解を深めること等を目的に、年金記録を記載した「ねんきん定期便」が送られてきます。年金の受給額はねんきん宅急便により概ね把握できます。
ねんきん宅急便はいつくるの?
「ねんきん定期便」は毎年誕生月に自宅に届きます。下記のように、年齢によって形式や記載される内容が異なります。
区分 | 送付形式 | 通知内容 |
50歳未満 | ハガキ | 保険料納付額(月別状況直近13月分) 年金加入期間 年金額(これまでの年金加入実績に応じる) |
50歳以上 | ハガキ | 保険料納付額(月別状況直近13月分) 年金加入期間 老齢年金の種類と見込額 |
受給者(直近1年間に被保険者期間がある場合) | ハガキ | 保険料納付額(月別状況直近13ヶ月分) 年金加入期間 |
35歳、45歳 | 封筒 | 保険料納付額 年金加入期間 これまでの加入実績に応じた年金額 これまでの年金加入履歴 月別状況(全期間) |
59歳 | 封筒 | 保険料納付額 年金加入期間 老齢年金の種類と見込み額 年金加入履歴 月別状況(全盛期) |
日本の年金制度
日本の年金制度は3回建ての構造になっており、1階部分の「国民年金」・2階部分の「厚生年金」・3階部分の「私的年金」からなっています。
国民年金
国民年金は日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人に加入が義務つけられている年金制度です。国民年金のうち、一定の年齢に達したことを受給の条件としているものを老齢基礎年金と呼び、受給開始年齢は基本的に65歳になった時点からとなります。
厚生年金
厚生年金は会社員や公務員などが加入する年金制度です。事業主も折半で厚生年金保険料を毎月納めています。厚生年金保険料には国民年金の保険料も含まれています。厚生年金の加入年齢は会社に入社した時点から退職するまでの期間となります。
老齢厚生年金の受給開始年齢は国民年金と同様で、65歳になってからとなります。以前は60歳からの支給でしたが、段階的に引き上げられました。
私的年金
私的年金の加入は任意です。金融機関を介して利用できる税制優遇のある国の仕組み「確定拠出年金(iDeCo)」。企業が実地する企業年金「確定拠出年金(企業型)」「確定給付企業年金」などがあります。
公的年金の受給年齢繰り下げをすると
繰り下げ受給とは、受給開始を65歳以後から70歳(2022.4.1以降75歳)になるまでに受給を遅らせることです。繰り下げ月数1ヶ月当たり0.7%の割合で増額されます。
例えば65歳から年金受給する金額が10万円の人の場合
1ヶ月遅く受給すると10万700円。
70歳からと5年繰下げ受給をした場合60ケ月×0.7%=42% 14万2千円になります。
繰り下げ受給をするときは、老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらか片方だけを繰り下げ受給することができ、またそれぞれを異なる時点から繰り下げ受給することができます。
繰り下げ受給のデメリット
- 早く亡くなってしまうと、65歳から受け取っていた方が総額の受け取り金額が大きくなる。
- 年金額が増えると、税金(所得税・住民税)と社会保険料(国民健康保険料・介護保険料)が増える。
- 夫婦の年齢差によっては、年下の妻がいる夫が受け取る「加給年金」が受け取れない期間が生じる。
加給年金とは
加給年金とは、年金版の家族手当のようなものです。加給年金の受給条件を満たしていても、年金事務所または保健センターに手続きを行わない場合は支給されません。支給される条件は以下の通りです。
- 厚生年金の加入期間が20年以上ある人が、65歳以上になって老齢厚生年金を受け取るとき、その人に生計を維持されている配偶者か子がいれば、年金に加算して支給する。
- 本人と同居しており、前年の収入が850万円未満であるか、所得が655万円5000円未満であること
- 18歳到達年度末日までの子
- 配偶者、1人目2人目の子供は224700円(基本)
いかがだったでしょうか、繰り下げ受給することで受取金額が大きくなるのですが、金額が思っていたより大きいなというのが、私の感想です。繰り下げた方が良いか繰り下げない方が良いかは、寿命が自分ではわからないのでそれぞれだとは思うのですが、そのときになって元気に働くことができれば考えてもいいのではないでしょうか。
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